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肝斑にトラネキサム酸はどのくらい必要か

たまには真面目なコラムを、肝斑についてです😎
表題の、「肝斑にトラネキサム酸はどのくらい必要か」を最初にお答えすると、トラネキサム酸250mg錠を1日2回がスタンダードと思って頂いてよいと思います。日本人女性に多くみられる「肝斑」は、顔の目立つところに出現するため、多くの方が悩まれていると思います。また、定義がはっきりしていないばかりか、病態も解明されきっておらず、難治性の経過をたどることも多いため、厄介なものという印象が強いですね💦

肝斑の判定

美容皮膚科の施術でも、肝斑の活動性の有無で治療方針が大きく変わってくるため、重視しているところでもあります。ただ、よく相談をうけるのが、施術をうける際の肝斑の判定がクリニックによってまちまちという点ですが、肝斑は良くなったり悪くなったりを繰り返すものなので、その時々によって判断が異なってきている可能性もあります🤔また、どの程度の強い治療を希望されているか、前月と比較して悪化傾向にあるのか、改善傾向にあるのかによって少し判断が異なってくることもあるかもしてません😳

肝斑とは

肝斑は日本人を含むアジア人などに多く、頬、額、鼻など色々なところに生じます。白人の方には少なく、海外の学会では軽視されがちな分野の様ですね💦定義はザックリしていて、「epidermal hyperpigmentation through increased melanogenesis in melanocytes」、表皮メラノサイトという細胞が活発になってしまって、メラニンを過剰に産生してしまい、表皮主体に過剰に色素沈着がおこった状態といわれています🙄つまり、細胞が暴走してしまって、シミを作りまくっている状態なのですが、あくまで状態であり、そこにいたるまでの道のりは人によって様々であったりするのです😱下図のN(周囲の正常皮膚)と比較して、L(肝斑病変部)は、表皮全層(写真上部の濃い紫色のところ)にメラニン(茶色)が多いのがわかりますね。少し難しい話をすると、色素をつくりだす細胞がおかしくなっちゃうのですが、この子がおかしくなるのに、隣接するケラチノサイトや真皮(皮膚の深い所)の線維芽細胞が関与しているとか🙄つまり、表皮主体の病変ではあるけれど、真皮環境の改善も治療に関与してくるということですね🧐

【Ann Dermatol. 2010 Nov;22(4):373-378】

肝斑の増悪因子として、女性ホルモンの影響(妊娠・出産、ピル内服)や、日光暴露(不十分な日焼け止め)、物理的な刺激(肌をこする、不必要に触るなど)などが有名ですが、遺伝的素因も含めて外的・内的要因ごちゃまぜの複数因子が関与した結果という考え方が一般的です。妊婦さんの10人に1人、ピル服用中の方の4~10人に1人に発症するとも言われています😥

肝斑の治療

肝斑の治療は、暴走した細胞(メラノサイト)を落ち着かせることから始まります。暴走細胞は、少しの刺激で過敏に反応するため、基本は日焼け止めと肌をさわらない・こすらない事の徹底こそが大切となります🥰薬的な治療としては、4%ハイドロキノン製剤+トラネキサム酸内服の組み合わせが広く受け入れられており、これらである程度落ち着いた後の、さらなるアドバンス治療としてピーリングやレーザートーニングなども選択肢に入ってきます。証拠能力が高いとされる二重盲検ランダム化比較試験で、4%ハイドロキノン外用単独ではなく、トラネキサム酸250mg錠1日2回の内服を併用した方が効果的という結果もでており、内服できるのであれば併用して頂いて、まずは3か月程度の治療期間を想定して治療を行っていきます。【Australas J Dermatol. 2020 Aug;61(3):237-242】当院では、肝斑治療としてまずは、4%ハイドロキノン製剤としてガウディスキンのHQクリア(1%グリコール酸含有)をおすすめしています。このHQクリアは、1本でおよそ2~3か月使用できるため、1本使い切るイメージで使用していただく場合が多いです。(ただハイドロキノンは100人に1人程度アレルギーがおこる可能性があるため、初めての方はお試し用に小さい製剤をおすすめする場合もあります)

アドバンス治療

アドバンス治療として、トラネキサム酸のエレクトロポレーションや、トラネキサム酸局所注射などの有用性も言われており、トラネキサム酸の塗り薬と局所注射を比較したものや【Surgical & Cosmetic Dermatology 2009;1(4):174-177】、ハイドロキノン外用とトラネキサム酸局所注射を比較したもの【J Dermatology Treat. 2018;29(4):405–410】なんかもあって、色々と面白いですが…結果として日焼け止め・触らないこすらないケア徹底・4%ハイドロキノン外用・トラネキサム酸内服がきちんとできた上でのアドバンス治療として、ビタミンCとEの内服(併用がよりよいdateあり)、トラネキサム酸のエレクトロポレーションなどを設定しています。【高濃度ビタミンC(ワカサプリ)内服、プラスリストアUV日焼け止め(フラーレン・ビタミン入り)、ソルプロ(抗酸化・抗糖化)内服】などもよいと思います🙋‍♀️)

これらの治療を行い、暴走してしまっている細胞がシミを量産するのを防いだ後に、結果として生じているシミを破壊して排出するのを手助けするのに、レーザートーニングやリバースピールなどの選択肢がでてくるのかな、というイメージです😳にくき肝斑をはやく退治したいお気持ちはすごく分かるのですが、暴走した細胞を落ち着けないままに、攻めた治療をしても、肌を触っただけでも刺激になるくらい敏感な状態なところに、加えた治療が刺激となって細胞がさらに暴走して…という悪循環に陥り、さらに漫然としていてはレーザーによる細胞ダメージがくる場合もあります😇「肝斑がある場合に攻めた治療をするには前治療が大切」で、状態がよい時、つまりは暴走細胞が落ち着いている時を見計らって、少し攻めた治療を重ねていくことをおすすめしたりします🌸